Network Sensing Lab. @Mie University, Japan.

ISDB-T band, Japan

Research Themes

光ファイバセンシング班(成瀬グループ)
ブリルアン散乱現象を利用したひずみ計測原理(BOTDR)
Principle of Strain Measurements Using Brillouin Scattering Phenomenon
インターネット等の通信に利用されている光ファイバを利用した光ファイバセンサの研究で,現在日本国内外を問わず世界的に研究されている分野です.現在大きな社会的問題となっている,インフラ設備や斜面などの崩壊,損傷による災害,またそれらのメンテナンスコストの増加を抑制することを目的として,光ファイバをセンサに用いたセンシングシステムによる構造物,自然環境の状態モニタリングについて,パターン認識,信号解析などに基づいて,センシングシステムの構築,システムから得られたデータの解析の研究を進めています.成瀬グループでは,その基礎から応用まで幅広い領域を対象として研究を行っています.

無線信号処理・無線ネットワーク班(成枝グループ)
LPWA(Low Power Wide Area)通信システムに関する研究
LPWA (Low Power Wide Area) Communication Systems
近年,IoTシステムといった,物理センサと無線通信機能をもつIoTデバイスによるデータ収集構造が注目を集めている.これの無線通信インフラとして期待されているのが920MHz帯を使用するLPWA通信であり,LPWA通信をベースとする無線センサネットワークによるIoTシステム構築が各所で検討されている.成枝グループでは,LPWA通信エリア評価やLPWA通信の無線センサネットワーク応用等に関して,実際の無線機を使用した実証実験や計算機上でのネットワークシミュレーションを通して,sub-GHz帯LPWA通信システムに関する研究開発を行っている.
 ※本研究課題は令和4・5年度総務省SCOPEフェーズⅡ"多種無線規格混在環境での超広域かつ耐干渉なSub-GHz帯無線センサネットワークの研究開発"の援助を受けて実施しています.  
無線センサネットワークのデータ駆動型設計に関する研究
Data Driven Design for Wireless Sensor Networks
IoTシステムの基盤技術の一つである無線センサネットワークは,データ収集ノードであるいくつかのゲートウェイとデータ観測の役割を担うセンサノード(エンドデバイス)から構成される.これらを勘や経験に頼らずに構築する,観測エリア・観測対象に応じたセンサノードの最適配置ための技術が無線センサネットワークのデータ駆動型設計である.成枝グループでは,Raspberry PIや観測用センサを用いたセンサノードによって無線センサネットワークを構築し,得られた時間・地理情報を付随する観測データをAI等といった様々な手法で解析することによって,センサノード最適配置アルゴリズム等についての研究開発を行っている.
無線ネットワークのスループット推定に関する研究
Sniffer Based Throughput Estimation of Wireless Networks
IEE802.11xxをベースとした無線LAN技術の進化に伴い,スマートフォンやタブレット等の機器が接続可能なアクセスポイントが高密度に配置されるようになった.しかしながらその反面,多くの無線LANエリアが高密度に重なることで各機器のスループットが低下してしまう.本研究では,Wireshark等のパケットキャプチャ技術を用いた複数チャネルにおける無線LANトラフィックのスループット推定技術について研究している.各機器のスループットを正確に推定することで,複数のアクセスポイント環境で適切にトラヒックのロードバランスを行い,各機器のスループット改善を目指す.
協調通信による無線センサネットワークのための分散推定および検出に関する研究
Distributed Estimation and Detection Using Cooperative Communications for Wireless Sensor Networks
近年,無線センサネットワークを用いた侵入者検知および外気温などの物理情報を観測するためのシステムが頻繁に用いられている.これら応用例は,分散推定および検出技術を基にしており,これらに関する研究が盛んである.このような無線センサネットワークシステムでは,システムのスループットの最大化が被測定物の推定および検出精度を必ずしも向上させないことが知られている.本研究では,パケット送信制御や周波数共用技術などを用いて,分散推定及び検出を目的とした無線センサネットワークの特性向上に関する研究を行っている.
コグニティブ無線ネットワークのためのスペクトルセンシング技術の開発
Spectrum Sensing Techniques for Cognitive Radio Networks
コグニティブ無線ネットワーク技術とは,無線端末そのものが周囲の電波環境を適切に把握し,効率よく無線通信を行うための技術である.その中でも,ダイナミックスペクトルアクセス型と呼ばれるコグニティブ無線ネットワークは,事前にある周波数帯域を割り当てられた無線端末が通信していない間のみ他無線端末に通信を行わせることで,効率的な周波数資源活用を目指したものである.これらのことから,近年ひっ迫している無線周波数割り当て状況を打破するためのキーテクノロジとしてコグニティブ無線ネットワーク技術が近年特に注目されている.
 先に述べた周囲の電波環境とは,具体的には他無線通信システムの通信状況を示す.これを適切に検知するための技術がスペクトルセンシングであり,これまでに信号の電力検出や周期定常性検出に基づく検出技術がいくつか提案されている.本研究では,実証実験や計算機シミュレーションによる実験などを通じて,無線通信信号,特にOFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 信号のスペクトルセンシング技術の開発を行う.

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